【最終更新日:2022年4月8日】
通信制大学への進学をお考えの方の中には「通信制大学のメリットとデメリットを知りたい!」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、「通信制大学のメリットとデメリット」に関してお伝えしたいと思います。
通信制大学のメリット
①学費が安い
まず挙げられるメリットが「学費の安さ」です。
文部科学省 「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立大学(通学制)の初年度学費は以下のようになっています。
入学金 | 授業料 | 施設設備費 | 合計 |
253,461円 | 877,735円 | 185,620円 | 1,316,816円 |
これに対し、通信制大学の初年度学費(例:日本大学 通信教育部)は、以下の通りとなっています。
入学金 | 授業料 | その他 | 合計 |
30,000円 | 100,000円 | 8,500円 | 138,500円 |
※ 通信制大学は、授業料以外にスクーリング受講料などを別途支払う必要がある大学が多いです。
違いが歴然です。
この学費の安さが通信制大学の最大のメリットです。
なお、通信制大学の学費については、下記の記事にまとめております。
➡ 全国42通信制大学の学費を徹底比較!初年度学費から卒業するまで
② 通学課程と同じ「学士」を取得できる
通信制大学(大学通信教育)は、文部省(文部科学省)に認可された正規の大学教育です。
ですから、卒業すれば、学士の学位を得ることができます。
通学課程の卒業生と何ら変わりはありません。
③ 働きながらでも学べる
社会人として昼間に働いている方が通学制の大学(夜間部を除く)に通うことは現実的に不可能です。
ですが、通信制大学なら、自宅学習が中心となりますので、昼間に働きながらでも学ぶことができます。
最近は、働きながら学ぶ社会人に配慮して、スクーリングを自宅のパソコンで受講できたり、単位修得試験を自宅で受験できる通信制大学も増えています。
中にはeラーニングのみで学習が完結して、通学不要で卒業できる通信制大学まで登場しています。
④ 自分のペースで学べる
通学制の大学は、決められた時間割通りに授業が進んでいくため、自分のペースで学ぶということが出来ません。
これに対し、通信制大学は、自分でスケジュールを組み、自分のペースで学んでいけます。
⑤ 様々な年代の方々と交流できる
京都芸術大学 通信教育部では、全国で18歳から96歳の方が学ばれているそうです。
このように通信制大学では、幅広い年代の方々が学ばれています。
スクーリング(面接授業)では、職業も年代も実に様々な方々と出会うチャンスがあります。
それに通信制大学で学ばれている方は「大学卒業資格を取得したい!」「資格を取得したい!」「キャリアアップに役立てたい!」など、モチベーションが高い方が多いです。
スクーリング(面接授業)などで他の学生さんと交流することで大いに刺激を受けること間違いなし(?)でしょう。
⑥ 入学試験がない
通信制大学に入学するには入学試験(学力試験)がありません。
多くの通信制大学は、書類選考のみで入学が可能となっています。
大学入学資格さえあれば、誰でも“大学生”になれるチャンスがあります。
大学入学資格が無くても(中卒、高校中退 etc.)、特修生という制度で入学のチャンスを設けている通信制大学もあります。
⑦ 通学不要で卒業できる大学がある
通信制大学の中には一切通学しなくても卒業できる大学があります。
身体的ハンデをお持ちの方でも学べます。
通信制大学のデメリット
① 自学自習が多い
通信制大学は、履修科目の約7割がテキスト履修科目、約3割がスクーリング履修科目となっています。
スクーリング履修科目は、通学制大学と全く同じで大学キャンパスなどに通学して、教員から直接指導を受ける科目です。
そして、履修科目の大部分を占めるテキスト履修科目は、テキストや参考文献を読み込んで2,000文字程度のレポートにまとめる“自学自習”の学習形態です。
この自学自習の学習形態に最初は苦労される方も多いようです。
ですが、放送大学、東京通信大学、サイバー大学、大手前大学、京都橘大学などのようにテキスト履修科目にも授業コンテンツが付けている大学も存在します。
自学自習の学習形態が苦手な方は、テキスト履修科目にも授業コンテンツが付いている通信制大学を選ぶと良いでしょう。
② 意志が強い人でないと続かない
通信制大学の卒業率は、10~20%程度だと言われています。
先述の通り、通信制大学は自学自習が学習の中心となりますので、意志の強い方でないと、途中で挫折してしまう恐れが強くなります。
途中で挫折してしまわないように学生1人ひとりをマンツーマンでサポートする人間総合科学大学や東京未来大学、東京福祉大学のような通信制大学もあります。
③ 通学制よりも評価が劣る場合がある
先述の通り、通信制大学(大学通信教育)は、文部省(文部科学省)に認可された正規の大学教育です。
取得できる学位も通学課程と何ら変わりはありません。
ですが、通信制大学は通学制大学よりも評価が劣る場合があります。
④ 人とのつながりが希薄
通信制大学は、自宅学習がメインとなりますので、どうしても人と人とのつながりが希薄になります。
「それでも良い。」という方なら構いませんが、「人とのつながりを大切したい!」という方は、スクーリング(面接授業)時に積極的に仲間作りをする、学生専用SNSなどで積極的に交流を持つ、などの姿勢が大事でしょう。
⑤ 卒業が難しい
通信制大学は入るのは簡単ですが、卒業はとても難しいです。
通学制大学のように授業に出席さえしていれば、何とかなるといった甘いものではありません。
きちんと学習した方のみが卒業というゴールに到達することができます。
⑥ 疑問点をすぐに解決できない
テキスト学習をしていると、どうしても理解できないポイントが出てきます。
そんな時、郵送や大学のWEBシステムなどを使って、担当教員に質問することはできます。
ですが、回答が後日になるなど、即座に疑問点が解消されないジレンマがあります。
⑦ キラキラ大学生活は期待できない
19歳、20歳、20代前半の方々が憧れる(?)キラキラの大学生活はまず期待できないでしょう。