通信制大学への進学をお考えの方の中には「通信制大学なんて意味がない!」「通信制大学卒が大卒を名乗っていいわけがない!」などの意見を聞いて、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、今回は「通信制大学への進学をやめた方がいい人」について私なりの意見を述べてみたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください!
通信制大学は正規の大学教育課程
まずはじめに申し上げたいのは、通信制大学(大学通信教育)は、文部科学省に認可された正規の大学教育課程であること。
学校教育法 第八十四条には『大学は、通信による教育を行うことができる。』と記されています。
通信制大学(大学通信教育)は、1947(昭和22)年に学校教育法によって制度化され、1950(昭和25)年に正規の大学教育課程として認可(文部省認可通信教育)されました。
学びたい人たちのニーズとともに70年以上にわたって実施されています。
通信制大学(大学通信教育)を卒業すると、「学士」の学位を取得できます。
卒業証書に「通信課程」などとの記載もありませんし、通学課程の「学士」の学位と同等です。
ですから、「通信制大学の卒業は大卒扱いされないのでは?」と思い悩む必要はないのです。
通信制大学への進学をやめた方がいいのは“こんな人”
①自学自習(独学)ができない・苦手な人
通信制大学の学習方法には大きく分けてレポート学習と面接授業(スクーリング)があります。
レポート学習とは、大学から配布または指定されたテキストを読んで、レポート課題を作成・提出する形態です。
面接授業(スクーリング)とは、大学キャンパスや特設会場での対面式授業または遠隔授業(インターネットを介したオンライン授業)です。
1年次入学の場合、卒業に必要な124単位中94単位をレポート学習で修得する通信制大学が大半です。
このレポート学習は、自学自習(独学)の学習形態です。
「自学自習(独学)で勉強するなんて無理だ!」という方は、通信制大学への進学をやめた方がいいでしょう。
自学自習(独学)ができない・苦手な方は、面接授業(スクーリング)が多い通信制大学を選ぶ、という方法もあります。
日本大学、法政大学、放送大学などは通学スクーリングが他の通信制大学よりも多く開講されています。
また、産業能率大学は年間300本以上のオンラインスクーリングを開講しています。
一般的に「面接授業(スクーリング)は単位が取りやすい。」と言われていますので、自学自習(独学)ができない・苦手な方は、面接授業(スクーリング)が多い通信制大学を選ぶとよいでしょう。
②レポートが書けない人
通信制大学の代表的な学習方法にレポート学習があります。
レポート学習とは、大学から配布または指定されたテキストを読んで、レポート課題を作成・提出する形態です。
通信制大学は1年次入学の場合、卒業に必要な124単位中94単位をレポート学習で修得するケースが大半です。
通信制大学をドロップアウトする方の中には「レポートが書けない・・・。」という方も多いようです。
中にはレポート作成に不慣れ方のために「レポート作成講座」を開催する創価大学、中央大学などの通信制大学もあります。
③自己管理ができない人
通信制大学は履修科目の選択、学習スケジュールの作成、課題の提出期限の把握など、すべてを自分ひとりでやらなければなりません。
勉強するのも自由、勉強しないのも自由です。誰からも強制されません。
ですから、何よりも自己管理能力が高い人でないと続きません。
中には手厚い学生サポートを実施している通信制大学があります。
東京未来大学は、学生一人ひとりにキャンパスアドバイザー(CA)をつけ、履修相談から日々の学習の進め方までマンツーマンサポートしています。
人間総合科学大学は、専任の教員がマンツーマンで個々の学生を受け持つ「担任制度」を採用しています。
そのほかにも、学修や提出物が滞ってしまった場合など、専任のスタッフが相談にのり、アドバイスも行っています。
自己管理ができない・苦手な方はサポートが手厚い通信制大学を選ぶのも手段の一つです。
④主体的に行動できない人(受け身の人)
通信制大学生活は主体性が求められます。
何事にも受け身の方は続かないでしょう。
⑤キャンパスライフに憧れを持つ人
サークル活動などの華やかな学生生活に憧れる方も通信制大学には向かないでしょう。
通信制大学は様々な年代の方が在籍しています。
京都芸術大学では、18歳から96歳までの方々が在籍されているそうです。
10代または20代前半でキャンパスライフに憧れを持つ方は10代の割合が多い通信制大学やサークル活動が盛んな通信制大学を選ぶのも手段の一つです。
通信制大学の魅力
①学費が安い
まず挙げられるのが「学費の安さ」です。
文部科学省 「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立大学(通学制)の初年度学費は以下のようになっています。
入学金 | 授業料 | 施設設備費 | 合計 |
253,461円 | 877,735円 | 185,620円 | 1,316,816円 |
これに対し、通信制大学の初年度学費(例:日本大学 通信教育部)は、以下の通りとなっています。
入学金 | 授業料 | その他 | 合計 |
30,000円 | 100,000円 | 8,500円 | 138,500円 |
※ 通信制大学は、授業料以外にスクーリング受講料などを別途支払う必要がある大学が多いです。
違いが歴然です。
この学費の安さが通信制大学の最大のメリットです。
なお、通信制大学の学費については、下記の記事にまとめております。
➡ 全国42通信制大学の学費を徹底比較!初年度学費から卒業するまで
②通学課程と同じ「学士」を取得できる
通信制大学(大学通信教育)は、文部省(文部科学省)に認可された正規の大学教育です。
ですから、卒業すれば、学士の学位を得ることができます。
通学課程の卒業生と何ら変わりはありません。
卒業証書にも「通信課程」の記載はありません。
③働きながらでも学べる
社会人として昼間に働いている方が通学制の大学(夜間部を除く)に通うことは現実的に不可能です。
ですが、通信制大学なら、自宅学習が中心となりますので、昼間に働きながらでも学ぶことができます。
最近は、働きながら学ぶ社会人に配慮して、スクーリングを自宅で受講できたり、単位修得試験を自宅で受験できる通信制大学も増えています。
中にはeラーニングのみで学習が完結して、通学不要で卒業できる通信制大学まで登場しています。
④自分のペースで学べる
通学制の大学は、決められた時間割通りに授業が進んでいくため、自分のペースで学ぶということが出来ません。
これに対し、通信制大学は、自分でスケジュールを組み、自分のペースで学んでいけます。
⑤様々な年代の方々と交流できる
京都芸術大学 通信教育部では、全国で18歳から96歳の方が学ばれているそうです(2022年現在)。
このように通信制大学では、幅広い年代の方々が学ばれています。
スクーリング(面接授業)では、職業も年代も実に様々な方々と出会うチャンスがあります。
それに通信制大学で学ばれている方は「大学卒業資格を取得したい!」「資格を取得したい!」「キャリアアップに役立てたい!」など、モチベーションが高い方が多いです。
スクーリング(面接授業)などで他の学生さんと交流することで大いに刺激を受けること間違いなし、でしょう。
⑥入学試験がない
通信制大学に入学するには入学試験(学力試験)がありません。
多くの通信制大学は、書類選考のみで入学が可能となっています。
大学入学資格さえあれば、誰でも“大学生”になれるチャンスがあります。
⑦通学不要で卒業できる大学がある
通信制大学の中には一切通学しなくても卒業できる大学があります。
身体的ハンデをお持ちの方でも学べます。
⑧世界のどこからでも学べる
通信制大学は自学自習(独学)が基本です。
ですから、日本全国はおろか世界のどこにいても学ぶことができます。
単位認定試験や面接授業(スクーリング)で通学が必要な通信制大学もありますが、
課題レポート提出、単位認定試験の受験、面接授業(スクーリング)の受講すべてをオンラインで行える通信制大学もあります。
離島や海外にお住まいの方でも通信制大学で学ぶことは可能です。
⑨大学入学資格がない方でも入学できる
2022年現在、全国に42の通信制大学がありますが、大学入学資格がない方(中卒、高校中退 etc.)にも門戸を開いている通信制大学があります。
特修生という制度です。
特修生として入学し、所定の期間に所定の単位を修得した方に正科生としての入学許可を与える、という制度です。
これにより大学入学資格がない方(中卒、高校中退 etc.)でも大卒資格の取得をめざすことができます。